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働く環境は変わっています。変えることができます。

角 環
高知大学医学部附属病院 眼科医師

1995年4月
高知医科大学(現・高知大学医学部)医学科入学
2001年3月
高知医科大学卒業
2001年4月
高知医科大学医学部附属病院眼科研修医
2005年4月
東京歯科大学市川総合病院眼科(病院助手)
2007年4月
高知大学大学院医学系研究科入学
2006年1月
高知大学医学部附属病院眼科(医院/大学院生)
2008年6月
結婚
2009年3月
高知大学大学院卒業(医学博士)
2009年4月
高知大学医学部附属病院病院助教
2009年8月
高知大学医学部助教
2009年10月
産休
2010年
高知大学医学部眼科復職
2010年6月
高知大学医学部学内講師


日本眼科学会専門医・指導医、日本アレルギー学会専門医、日本角膜学会、日本眼炎症学会、日本眼感染症学会、日本涙道・涙液学会

医局のサポートに感謝

 夫とは遠距離恋愛を経て結婚し、今も京都と高知で離れて暮らしています。32歳のときに、第1子を妊娠・出産。産前2週、産後8週の休暇をとりました。お互いの実家も県外なので、家事も子育ても孤軍奮闘中です。現在、親子、夫婦の会話は毎日のテレビ電話で。月に2回ほど京都に行き、家族の大切な時間を過ごす生活です。
当時、院内の託児所に預けて職場復帰するといっても、子どもはまだ生後2ヵ月。託児所は生後6ヵ月からという決まりがありましたが、私の働きたいという意思を尊重していただき、特別に許可を得て預かっていただきました。
最初は自分の担当する特殊外来を含め、3時間の勤務からスタートし、赤ちゃん優先にしながらできる範囲で仕事をしました。半年後にフルタイムに復帰し、外来、病棟、手術も担当。
託児所のお迎えというタイムリミットができたため、夜の緊急手術は免除して頂きましたが、休職前とほぼ同じ状態、同じ気持ちで仕事に臨みました。

自分に合った働き方を

 私の勤める医局では、女性医師が働くことにとても理解があり、サポート体制が整っています。子どもが病気のときに、教授の奥さまに預かっていただいたこともあるぐらいです。
医局につれていくこともありますし、医局の飲み会には必ず息子を連れていきますから、みんなで子育てしてもらっている感じです。
 医局には女性医師が多く、外来だけを診ている先生や、一度大学を離れ、お子さんの手が離れてから大学院へ進まれた先生もいらっしゃいます。私は「私にしか治せない患者さんが待っている」という思いでフルタイム就業を選びましたが、私のようにフルタイムで働きたいという若い女性医師もいて、「できるんだよ」というモデルになっているのかなと思います。
仕事と家庭、どちらに重点を置くかは個人によって違いますが、プラス0.5人でも医局にとっては大きな力。それぞれの考えを尊重した働き方を実現しています。

子育てを支える環境づくり

 働く環境は日々進化しています。例えば、眼科の学会では子どもを連れて参加できるように無料の託児所が開設されています。高知県でも、夜の勉強会には高知県医師会がベビーシッターを派遣してくれるようになりました。企業の講演を依頼されたときは、主催者側に預かっていたただくようにしています。
子どもを一人で置いておけない事情を抱え、さまざまな「前例のないこと」「できないこと」にチャレンジしてきました。「子どもがいるから」とあきらめるのではなく、「どうすればいいのか」を考え、話し合えば道は開けます。子育てをしながら、負い目を感じることなく医師の仕事が続けられる時代になろうとしています。
 医師不足が深刻になる中、少しだけ勇気を出して復職の門を叩いていただけたらうれしいです。

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