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産休、育休は、感謝の気持ちを伝えながら協力を求める。

中嶋 絢子

中嶋 絢子
高知県立幡多けんみん病院 臨床検査科医師

2009年3月
高知大学医学部医学科卒業
2009年4月
高知大学卒後臨床研修センター 初期臨床研修
2011年4月
高知大学医学部付属病院 病理診断部
2014年4月
高知県立幡多けんみん病院 臨床検査科

仕事と子育て、両立の不安

 愛知県から高知大学に進学し、1つ上の主人とは学生時代からのお付き合いで、大学6年生の時に結婚しました。結婚してしばらくはお互いに忙しく、仕事に没頭する日々でした。2年間の初期臨床研修を終えて病理医の道に進み、1年間働いたところで長女を妊娠。1年間の産休・育休を経て2013年の10月に職場復帰しました。
 その後、2014年の4月に高知県立幡多けんみん病院に夫婦揃って転勤となり、同時に二人目を妊娠。11月に長男を出産しました。
 結婚当初から、出産後も仕事を続けることは決めていましたが、初めての妊娠のときには長く仕事を離れて大丈夫か、子育てと仕事を両立できるかという不安が大きかったです。また、7ヵ月ごろに切迫早産になり、体調面での不安もありました。
 病理医は、外来を持ちませんし、デスクワークが主な仕事です。時間的な制約が少なく、女性には働きやすい職場です。職場では産休・育休を取得する女性医師は初めてでしたが、「検診は遠慮せず行って」「体調が悪いときは無理をせずに」と言ってくださって、妊娠中も安心して働くことができました。

大切なのは夫婦の相互理解

 妊娠した頃から、私なりに復職のことを考え始めました。休職前の勘を取り戻し、きちんと仕事をこなすためには、1ヵ月集中して働きたい。小さい子は保育園ですぐに病気をもらい、よく体調を崩すと聞くので、仕事に集中するために、主人に1ヵ月だけ仕事を休んでもらえないかと相談しました。循環器科の医師である主人が休みを取りづらいことも、主人が抜けることでまわりの方に負担をかけることも理解していましたが、医局に相談し、遅めの夏休みと有給休暇の消化で時間を作ってくれました。
 長女が10ヵ月のときにフルタイムで復帰。1ヵ月間安心して仕事に打ち込めたおかげで、スムーズに仕事に戻ることができました。主人にも医局のみなさんにもとても感謝しています。
 専業主夫の1カ月間は、とても大変だったと思いますが、子育ての実際を理解してもらえたことは、とてもうれしいです。家族の絆もぐっと深まりました。職場のすぐ近くに住まいがあり、お昼には授乳に帰れたことや、職場内に託児所があって送り迎えを分担できる環境にあったことも恵まれていたと思います。

素直に相談、そして感謝

 幡多けんみん病院に来てから、9月まで仕事をしていました。11月に二人目を出産してからは、目が回るような忙しさ。まだまだ忙しくなると思いますが、次の春には主人の大阪転勤が決まり、私も、主人と同じ所で復帰が決まりました。病理医は全国的に見ても約2300人と数が少なく、高知県内には勤務できるところが数ヶ所しかありません。大阪には学べる環境も整っているので、私にとってもキャリアを積むチャンスだと思って新たな気持ちで頑張りたいと思っています。
 これから産休・育休、介護休暇などを取る女性医師も増えてくると思います。職場や家族の協力を得るには、なるべく前もって素直な気持ちで話し合い、相談の場を持つことで自分自身の身体的、精神的ストレスを軽減できたように思います。まわりの方々も、口に出さないまでも気にしてくれていることが多いので、感謝の気持ちを伝えながら積極的に協力を求めることも一手ではないでしょうか。

ご主人のコメント


ご主人のコメント

 子どもとの1ヵ月は、大変なこともありましたがいい時間でした。妻は医師の中でも希少な存在。キャリアをふいにしてほしくないので、これからも仕事を続けられるよう協力、応援したいですね。

中嶋安曜
高知県立幡多けんみん病院 循環器科医師

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